監督スティーブン・ソダーバーグ、脚本スコット・Z・バーンズによって製作された2011年のアメリカ映画
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個性的な作品から大作まで変幻自在のスティーブン・ソダーバーグが監督で、「インフォーマント!」などの社会派作品で知られるスコット・Z・バーンズが脚本だというから興味を引かれた。感染症の流行を表すパンデミックを描いたスリラー作品で、未知のウイルスによる恐怖を、緊張感のある描写で映し出している。
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パンデミックものの基本は、感染の始まりを特定することからなので、ミステリーのような要素も含まれている。この手の映画はB級映画ばかりだから、無名の俳優が主人公だったりするのに、この作品は驚くほど豪華なキャストだ。それなのに、豪華なキャストを大胆に扱うから、単純には先を読むことができない。
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マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーンにジュード・ロウ、さらにはグウィネス・パルトローにケイト・ウィンスレットまで出演している。こんなに豪華にする必要があったのかは謎だが、豪華過ぎるから先が予測できなくなっているのも確かだ。悪役っぽいジュード・ロウは新鮮だったし、いつも気取らず汚れ役まで平気でこなすグウィネス・パルトローには頭が下がる。
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パンデミックもの。こういったパニック・ムービーというものは、いかに実生活と重ね合わせることができるかで、全く恐怖心に違いが出てくる。日本人というのは、インフルエンザでわあわあ言うし、世界でも類を見ないというマスク信者なので、こういうパンデミックものを観る客としては、最適な国民かもしれない。