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コンテイジョンのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
3.5
コンテイジョン

「コンテイジョン」を観ました。

『トラフィック』のスティーヴン・ソダーバーグ監督が、地球全体を恐怖に陥れるウィルスの恐怖を豪華俳優陣で描くサスペンス大作です。
世界規模のパンデミックを描いた作品で、都市のロックアウト、食料・日用品の買い占め、隣人への疑心暗鬼、それからクラスターという言葉や、ドアノブを介しての感染、感染しても症状が出ないなど、新型コロナの現状によく似た話がちょいちょい出てくるためか、Netflixでは視聴上位に位置しています。

しかし大作というのは、出演者が豪華なだけで出来栄えは大作でも何でもない。非常に地味な作品でした。

ストーリーは、ミッチ(マット・デイモン)の妻であるベス(グウィネス・パルトロー)が最初の感染者となり、香港からシカゴにウイルスを持ち込んでしまう。ベスは帰宅後に発症し、さらに息子にも感染させてしまい、その流れで強力な新種のウイルスが世界各地に拡大していく中で、ワクチンが出来るまでの開発側のプロセスや、それを待つ人々の異常なパニックを両側から描いていきます。

キャストには、マリオン・コティヤールやマット・デイモン、ケイト・ウィンスレットなど実力派スターが集結。特にローレンス・フィッシュバーンが際立って存在感があります、彼は◯◯長官とか組織リーダーの役がよく似合いますね。

感想としては、とにかく地味で盛り上がりもない、そして出演者を活かしきれず、誰が主役かわからないというマイナス要素と、
冒頭、感染が広がるシーン、感染症のプロがウイルスの正体を突き止めるプロセスなど、とてもリアルな恐怖を描いているプラスの要素があります。

ただどちらかと言うとマイナス面が目立ちますね。
マット・デイモンが感染しない理由も、その設定がストーリーと何ら絡まないという恐ろしく勿体無い脚本も頂けない。
グウィネス・パルトローもアカデミー主演女優賞取ってるのに、何という扱い。ひど過ぎます。
ジュードロウにいたっては、誰でも出来る詐欺師のちょい役。
彼の記者としての役柄をもっとワクチン開発のプロセスに絡めることができたはずです。

監督が超有名な方で、多くの名作を生み出しているので期待しましたが、これは正直言って脚本が期待はずれですね。

リアルの追求という点では、現実に近い内容となっていますが、褒められるのはリアルさだけ。
個人的には70点。
オススメできない映画ですが、異なるご意見をお持ちになった方は、逆にぜひ感想聞かせてください。
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