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コンテイジョンのエンタのネタバレレビュー・内容・結末

コンテイジョン(2011年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジュードロウ扮するライターが「正義の担い手」のままで終わる姿に、憤慨せずにまぁいるだろうなぁと思わせるリアリティがある。これは昨今のSNS界隈をザッと読見返せば、誰でも感じる感覚だろう。

政府や行政を糾弾することが正義となり、かつ有識者の称号が得られる。ユーザーはいいねをするかリツイートをして、「常識的な人間」を演じることが出来る。ただ、ふと思い返してほしい。投稿する人、リツイートする人、どちらとも単純に「私は不安で仕方のない人間です。」と告白しているに過ぎないことを。

保釈後、ライターはキャンドルスティックパークへと向かった上で聞き込みや、ワクチン摂取センターを取り囲む戦闘機を撮影し始める。わざわざ感染経路を示したラストシーンを見せたことで、彼の顛末が描かれないことがより際立つ。
禍根が消え去り始める社会に、彼が有識者として残るために打つ手は何だろうかと想像させるつくりは、現実の社会に対して皮肉にも呼応している。

彼とは別の方法で、禍根が終わった後の世界を見ていくこと、守っていくことが必要なのだ。
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