社会のダストダス

コンテイジョンの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
3.4
9年前の映画だけどフィルマークスのトレンドで連日上位、新型コロナウィルスの影響により劇場で映画が観られないという映画好きにとっての向かい風も追い風となり旧作ながらも最近熱い映画。ネットフリックス先輩の激しい推しに遂に屈して鑑賞。

まず思ったのは、キャストがすごい!マット・デイモンにローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、ちょい役でブライアン・クランストンまで出ているなど他にも主役級多数。いったい誰が主人公なんだ?! っと思ったが、だれもが当事者であるということが、オムニバス形式のリアリズムをもって描かれている印象。

簡単なあらすじ
香港からアメリカに帰国した女性がミネアポリスの自宅でけいれんを起こし意識を失う。夫であるミッチ(マット・デイモン)は、妻を病院に運ぶも女性は原因不明のまま急死し、彼の継子も同様の症状で亡くなってしまう。ミッチは一時隔離されるも、正体不明の感染症に免疫があり退院する。
当初はバイオテロも疑われ、CDC(疾病予防管理センター)のエリス・チーヴァー(ローレンス・フィッシュバーン)は調査のため医師のエリン・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)をミネアポリスに派遣する。

「今観るべき映画」として良く取り上げられているけど、状況が本当に似ていることに驚いた。致死率の高いウィルスの恐怖は言うに及ばず、患者の急増と人員と物資の不足により起こる医療崩壊、テレビやネットにより情報が錯綜することで生じるパニック。
この映画に比べたら今はまだマシと言えるのか、それとも次の段階に進んでしまうのか。

今のご時世だからこの作品のテーマ性に共感してしまうけど、普通にパニック映画として面白かった。
感染している人が触った“かも” 知れない箇所がアップで写され、日常の不可避な行動によって広がっていってしまう危険が描かれる。さり気ないような、強調したような見せ方がオーシャンズシリーズの監督っぽいなと思った。
映画がDAY2から始まるのは何でだろうと思いながら観ていたら、最後にすべての始まりが補完される形になっている構成も良かった。