TaiRa

コンテイジョンのTaiRaのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
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機は逃してるけど一応観とこうと思って。

確かに今観るとよく調べたんだなって分かる。2020年現在の日常。2009年の新型インフルエンザはそれ程ひどい状況にならなかったけど、もしスペインかぜ級にヤバかったらどうなってただろう、みたいな発想かな。グローバル化が進んで行く世界で100年に一度レベルの伝染病が広まったらという恐怖。それをソダーバーグ的なミニマル演出でテキパキ見せる。ちゃんとオールスターパニック映画の伝統も踏襲しつつ。オールスターパニック映画は主役級の役者ばかり出て来るから誰が死んで誰が生き残るか読めない面白さあるけど、今作もまさにそれだった。ソダーバーグの演出改めて観ると、やっぱりフィンチャーとマブダチなだけあるなという感じ。この二人が相互に影響与え合って完成させた型みたいなのがある。今作に登場する伝染病は、致死率が高く潜伏期間が短いから怖いって話だけど、現実に流行ったのは逆だったね。致死率低くて潜伏期間が長いから怖いってあんま思い付き辛いかも。無人の街がゴミで溢れるビジュアルもある種のクリシェだけど、実際は街が綺麗なまま無人になるっていうね。暴動や略奪の増加など最悪のパターンをシミュレートした映画ではある。人間ドラマの部分が物凄いミニマルで素っ気ないんだけど、ケイト・ウィンスレットが最後の最後まで善意を持ってる様とか、友達に都市封鎖教えちゃう奥さんとか、最悪の状況下で人間が出来る小さな善行みたいな物への眼差しが多かった。最後に明かされる発生源の因果応報っぷりもソダーバーグらしいなと。
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