来たる10月20日はイギリスの名匠ダニー・ボイル監督の61歳のお誕生日！
映画史に残るイギリス映画の金字塔「Trainspotting」で一躍時代の寵児となったダニー・ボイル。
そんな彼が制作した長編デビュー作に当たるサスペンス映画「Shallow Grave」は、監督としての確かな資質と溢れ返る精彩を兼ね備えた意欲作となりました。
グラスゴーを舞台にした2男1女の平穏な仲良しルームシェア。
そこに新同居人の介入が発端で巻き起こってゆく人間関係の崩壊をドロドロなサスペンスタッチで描きます。
医者ジュリエットはシャーロット・ランプリングばりのクールビューティーで日和見な狡猾さを発揮し、
会計士のデヴィッドは徐々にサイコパスさながらの豹変ぶりで屋根裏の散歩者と化し、
新聞記者のアレックスは楽天家でそれにただ右往左往。
アレックスがTVで「ウィッカーマン」を観ているところからも、スコットランドという国のうら淋しい暗部が漂います。
ダニー・ボイル作品には欲望による楽園や人間関係の崩壊、大金が絡んでくるのも特徴的であり、人間本来の深層部を突き詰めるドラマは以降の作品群でも色濃く反映されてゆきます。
ユアン・マクレガーとの久々のコンビ作品「T2」もすんごく最高でしたが、今後ともこの黄金タッグで新作を発表していただきたいもの。
