serina

クロッシングのserinaのネタバレレビュー・内容・結末

クロッシング(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

私が「縞模様のパジャマの少年」をお父さんに勧めた時に勧められた一作。

世界で初めて北朝鮮の日常や現状を映すことに成功したものらしくて、役者の男の子が本物の脱北者にしか見えないほどの窶れてた。15年間で300万人が餓死したって言われる北朝鮮から実際に脱北した30人をメインスタッフにしたらしく、ストーリーはとんでもなくポンポン進んでいくんだけど多分100分の短い間に30人それぞれの出来事を嘘偽りなくつなげた結果がこのストーリーになったんだと思う。主人公の男は、奥さんへの愛はすごく感じるけど、息子への愛の描写があまりにも少ない割に後半では息子を必死に見つけようとするし、いくところ行くところで展開の変化が激しいけど、この映画は、人間関係とか感情とか生き方とかそういうものには焦点を当ててなくて、北朝鮮の現状をより再現することが指名だったんだと思うと、誇張してない人物像や内容であってよかったのではないかと。国境って人間が決めたもので、それがとんでもなく厳格に守られてる。そこから自由に出入りできる場合がほとんどだけど、北朝鮮の場合はそうではなくて、脱北を試みる人の末路は3つ。「生きて幸せになる」「殺される」「生きて地獄を見る」。みんなが幸せだったり希望を夢見て国境を渡ろうとするけど、ほとんどの場合は、収容所行き。その場で殺される方がマシだってことは誰も知らないから命乞いをしては、死ぬまで重労働。とんでもないことがすぐ近くで行われてると思うと、グローバル化は必要だと思った。お父さんが歴史の先生やってたから、映画終わって北朝鮮の歴史の話を色々聞いた。



(読まないことを推奨)
私は、七番房の奇跡、新感染、全く響かなかったほどの韓国映画特有の感動ポルノ式演出は寒気がしてしまう冷酷な人間だけど、クロッシングは、そういう演出が少なく、泣きましょう!同情しましょう!よりも、これが今の北朝鮮だという事実を全面的に出していたから、勉強になるし、近隣国の日本人として自分は知るべきことだと感じた。
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