シネマJACKすぎうら

Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのちのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

4.3
なにこれ!面白い!!
この映画は一部にドキュメント的要素を取り込んだ映像アートでありエンタテイメント。

ピナ・バウシュ、恥ずかしながら知りませんでした。一言でいうならば、コンテンポラリー・ダンス作家兼パフォーマー、でしょうか。
この分野にはほとんど知識がないことを白状しつつ、、、
凄いと思ったのは音楽づかいもダンスパフォーマンスも、決して伝統的なものや”様式美”的なものを否定せず、あらゆる要素を取り込んで新たな価値を生もうとしている点。そして、ダンサー一人一人の個性やクリエイティビティを最大限に引き出しつつ、一体感のある作品作りに取り組んできた様子が映像と関係者コメントから垣間見えて感動的。

舞台上のパフォーマンスも客席からだけではなく、色々なアングルから撮影していて、ライブを直接鑑賞するだけでは得られない”映画”なりの臨場感を実現。さらには野外も含めて様々な場でパフォーマンスが繰り広げられ、3D効果も十二分に発揮されていた。

既に亡くなられている彼女の追悼作品でもあり、ともに歩んだダンサーたちのピナさんへの敬愛が滲み出ていた。きっと、今後あらゆるダンスパフォーマンスや演劇、映像表現に影響を与え続けるだろう。

”言葉を発しない”パフォーマンスを観て、涙があふれたのは初めての経験かも。
こんな映画に出会えてよかった。