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けんかえれじいのzhenli13のレビュー・感想・評価

けんかえれじい(1966年製作の映画)
4.1
初見はいつだか思い出せない。

清順監督の絵づくりが本当に楽しいし高橋英樹が飄々朴訥でも地金に知性があり、徐々に時代の翳りを感じとる姿がいい。清順は新藤兼人の脚本をみて最初できないと云ったらしいんだけど、それでも清順自身の学生時代と戦争の経験が大きく反映されてるのではと思う。

抵抗や反逆は個人にとって大事なことを通す結果であり、それ自体が目的ではない。ホモソーシャルな組織の忠義ややせがまんの馬鹿らしさが、麒六を通して見える。弱い先生をからかい、怖い先生の前でおとなしくする学生たちを「百姓根性の山猿だ」と一喝する彼の姿に涙が出た。
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