人見知りな性格で人との関わりを最小限にして過ごす社会人女性で、孤独な生活の中で折を見ては自分の「死」を想像して過ごすフラン。同僚の女性の退職に伴って新たに職場に訪れた男性ロバートのユーモアある言動に徐々に惹かれる彼女が、彼との付き合いを経て徐々に心を開いていくもそれでも変わらぬ死の夢想を描いた恋愛ドラマです。
世界的フランチャイズ『スター・ウォーズ』シークエル・トリロジーの主人公「レイ」に抜擢されてスター俳優の道を歩むことになったデイジー・リドリーが主演はもちろんプロデュースも担ってケビン・アルメントの舞台を映画化した作品で、監督レイチェル・ランバートと作り上げた物語でサンダンス公開後に批評家から高評価を得ました。
ささやかな物語ながら人生の中で多くの人が抱くだろう想いを綴った物語で、静的な展開の中にも独りよがりな個人が人間関係の中で抱きがちな感情のうねりにユーモアを添えます。それだけにアート志向の想像描写に些か作り手のエゴを感じる所はありますが、「英雄」リドリーだからこそ映えるギャップを活かしているキュートな一作です。