あんときの井上

ニューノーマルのあんときの井上のレビュー・感想・評価

ニューノーマル(2023年製作の映画)
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多彩な画角の画作りが良かった分、小ネタの連作短編映画でも楽しんで鑑賞できた。

とはいえ、最後の話が一番つまらなくて残念。それまでに登場したキャラが最後にも役割をこなし物語として収斂していく、ってな訳でもないため味気なく感じた。

他方で、一話目の、ムカつくおっさんが殺人犯かと思いきや、本物の殺人犯に返り討ちに合い殺されたことには、男社会で加害され続ける女性の尊厳ある反抗が如きカタルシスを覚えた。

続く、二話目では、車椅子のお婆ちゃんを人助けした少年がまんまとそのお婆ちゃんに騙され安否不明のまま話が終わるので、高齢化社会でますます貧しくなるお年寄りから搾取され続ける若者こそ本当の弱者である社会の縮図が如き胸糞を味わった。

なるほど、各話それぞれに、韓国の社会的背景ないし今日的テーマが隠れていると考え、目を皿のようにして鑑賞してみても楽しめる映画ではないでしょうか?

P.S.ゴヤの絵の意味はどういう?
あんときの井上

あんときの井上