◆あらすじ◆
国家情報院の捜査官のハンギュ(ソン・ガンホ)は北朝鮮の暗殺者を捜索していたが、多くの犠牲者を出した上、失敗に終わり情報院をクビになってしまう。また、北朝鮮の工作員のジウォン(カン・ドンウォン)は暗殺者の行動を妨害したため、北朝鮮から見捨てられる。それから6年後、人探しの仕事をするハンギュは偶然、ジウォンと遭遇する。ハンギュはジウォンの素性を知っており、彼を逃さないように自分の仕事の相棒に雇う。しかし、ジウォンもハンギュの素性を知っていた。2人はお互いを探りながら仕事の相棒として働くのだが...。
◆感想◆
国家情報院の捜査員と北朝鮮の工作員だった2人がお互いを探りながら仕事の相棒として共に時間を過ごす姿を描いた作品となっており、6年前の失敗によりそれぞれ不遇の状態になった2人が仕事を共にすることで心を通わせていく展開が心にしみました。
国家情報院の捜査官のハンギュは北朝鮮の工作員に対する嫌悪が強く、彼らを取り締まることを生きがいとしている部分があって、6年前の失敗で国家情報院をクビになった後も工作員を追う執念深さが印象的でした。演じるソン・ガンホの個性もあって、真剣な姿の中にもユニークさが見え隠れして、なんとも楽しい人物のように感じました。
一方、北朝鮮の工作員のジウォンは脱北者の暗殺を手伝う役目を負っていましたが、暗殺者が対象だけでなく家族全員を皆殺しにしようとすることに耐えられなくなり、子供をかばってその場を逃走してしまいます。ジウォンの性格の善人の部分を強く印象付けるエピソードとなっており、ジウォンは国に見捨てられても国への忠誠心を捨てない部分もあって、感情移入するキャラクターとなっていました。
本作はストーリー序盤の6年前のエピソードで銃撃戦やカーチェイスなど激しいシーンが連続していて、最初に大きな盛り上がりがあったとともに2人のキャラクターの性格や事情がよく分かるようになっていて、現在のストーリーの伏線として上手く機能していました。現在のストーリーは一旦、落ち着いた雰囲気で2人の関係性を描いていくので、気持ちよく観ることができましたし、終盤の劇的な展開への助走となっていて良かったと思います。全体として緩急のついた上手いストーリー構成だったと思います。
ラストは予想外のものになっていて面白かったです。
韓国ならではのストーリーであり、その特性を上手く利用した展開はとても面白かったです。
鑑賞日:2025年3月25日
鑑賞方法:Amazon Prime Video