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インサイド・ヘッド2のtetsuのレビュー・感想・評価

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)
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世界で一番ヒットしたアニメ映画になったと聞き、鑑賞。

これは高校入学を直前に控えた少女・ライリーと、彼女の頭の中の物語。
3日間のアイスホッケー合宿にやってきたライリーに、新たな感情が芽生え始めた。
シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィ、"思春期"を代表する4つの感情たちが現れたことで彼女の脳内は大混乱。
ヨロコビを筆頭とする5つのベテラン感情たちは新入りに実権を奪われてしまい、ライリーらしさを取り戻すための冒険に出るのだが……。

製作時、心理学者や実際のティーンエイジャーへのリサーチを行ったという本作。

それが実を結んだ秀逸な脚本、唯一無二の世界観と、素晴らしい作品なのは間違いない。

しかし、猛暑で出歩いた後に鑑賞したからか、イマイチ乗り切れず……。苦

前作同様、見た目に反して、相当へビィな描写(1作目では"消失"について、本作では"パニック障害"の瞬間)があり、主人公のエゴイスティックでイヤ~なところを中心に物語が進んでいくため、個人的には鑑賞に結構なエネルギーを要する作品だった。

また、自分の"正義"を貫くヨロコビを中心に、ライリーは"こうすべき"という倫理観が強く(劇中では自分に厳しすぎるところと言っていたような記憶……)、その良くも悪くも"優等生"な部分(ある意味ではディズニーっぽさとも言える)も合わなかったのかもしれない。

とはいえ、「人間は大人になるにつれて、感情を失ってしまう」みたいなセリフがあったように、自分が感動の感情を失ってしまっただけなのかもしれないが……。苦

個人的なピークは、知育番組特有のメタ演出(「ミッキーマウス クラブハウス」や「リトル・アインシュタイン」といった"プレイハウスディズニー"作品群のセルフパロディとも言える)を使うキャラクター、PS2グラフィックのキャラクターが続けて登場する場面。

ここだけでも、かなり楽しい作品だっただけに、これらのクセ強キャラにもっと活躍してほしかったという思いすらある。笑

というわけで、個人的な不満点は色々とありつつも、世界で一番ヒットしたアニメということに関しては納得の本作。

特にクライマックスの"閉鎖空間"から"窓から射し込む光"を映す場面など、まるで実写映画と見間違えるほどの丁寧な描写も含め、現代アニメーションの最先端であることは間違いないため、ピクサーの新たな代表作として必見の一作だった。


参考

世界最速! 映画『インサイドヘッド2』を完全再現【ネタバレ】
https://youtu.be/fSXsQUSL72I?si=g1EP5M7hGrNtNCxH
(かなり映画の復習になったので、ディズニー+での配信が始まる前に興味があれば是非。笑)

ミッキーマウス クラブハウス/第1話|デイジーのヒツジをさがそう
https://youtube.com/watch?v=3Yr4_NLhWx0&feature=shared
(これを見れば、セルフパロディという意味が分かるはず。)
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