長井龍雪・岡田麿里・田中将賀の、いわゆる超平和バスターズ(でも今作ではそのユニット名は使わなかった)による劇場用オリジナル。あの花・ここさけ・空の青さと良作を定期的に作ってきて、今作も非常に良く出来ていた。
先ず一つ苦言を呈するならタイトルが良くないよ。中島哲也の「来る」もそうだったが、こういう題名はそもそもネットでバズりづらいのは実証されてるのに。
勝手な推測だがタイトルで興味を持てずに劇場に行かなかった人は多かったんじゃないかしら?
でも内容は普通に良かった。個人的には空の青さを〜よりも好きかな。
どこかの離島で育った幼なじみ3人組。アキ・リョウ・ユウタ。口下手なアキが見つけてきた島の伝説の生き物「ふれる」。ふれるがいることで3人は会話をしなくても意思疎通ができるようになり関係が良好なまま大人になり、一緒に東京に住むことになる。
バーのバイトの料理好きアキ、不動産屋のリョウ、服飾専門学校生ユウタは、ジュリとナナの女子2人と知り合い5人と同居することに。5人の5角関係という微妙な恋愛劇が繰り広げられる。
3:2という奇数の男女というのが良いよな。3:3だと各々にカップリングが出来る予定調和な展開になりそうだもん。男女七人夏物とかと一緒。誰かがあぶれるという不穏材料が大事。
そして男3人の結束力の堅さも瓦解している。女が絡むことと、そしてふれるの秘密。
ふれるの能力故に“ディスコミュニケーション”がテーマの物語かと思いがちだが、やっぱりシンプルに恋愛劇なんだよな。
ナナが好きなユウタのために、先走って付き合ってるテイでサプライズパーティを始めちゃうデリカシーのない男子。いくら何でもガサツが過ぎる。
ふれるの能力により亀裂が入ったが、ふれるの暴走を止めるために3人が力を合わせる。
なんかアキがふれるを守ろうと必死になるんだよな。本来なら、ふれるが居なくなってもコミュニケーションが取れるようになった=成長したという展開にするのだろうが、ふれるも見捨てなかった。この終わり方は良くも悪くもオチとしてブレちゃったのかも知れない。