回想シーンでご飯3杯いける

そして、見失ったのはの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

そして、見失ったのは(2023年製作の映画)
3.7
日本で劇場公開される機会は殆どないけれど、ムンバイの都会的な若者の生活を描いたインド映画には良作が多い。本作はNetflixを通じて観る事ができる。

会社を辞めてネット系ベンチャーの起業を目指す女性と、自己顕示欲の強いインフルエンサーの彼女に振り回される男性、頭の回転は速いもののマッチングアプリにハマり本当の愛から逃げるコメディアンの男。幼馴染の3人が、立ち位置は違うけれど、インターネット無しで生活する事が難しい現代の若者の姿を辛辣に描いている。

日本でインド映画の公開が少ないのは翻訳家の人手不足が一因になっていると聞くけど、本作の字幕は良くできていると思う。印象に残る台詞が多いと感じるのは、しっかりと僕たち日本人に届く翻訳がなされている証拠だろう。

3人の人物像も、若者らしい脆さと、もがき苦しみながらも這い上がろうとする姿が印象的で、同世代なら身につまされるだろうし、僕のように年上なら応援する気持ちで感情移入できる。