もやし

ア・フュー・グッドメンのもやしのレビュー・感想・評価

ア・フュー・グッドメン(1992年製作の映画)
4.6
監督ロブ・ライナー、脚本アーロン・ソーキン、主演トム・クルーズ、アカデミー賞作品賞受賞、というもう周辺情報だけで言ったら完璧な作品。
でもいわゆるリアリティのないドラマティック裁判もので、好みは分かれるかも。アーロン・ソーキンって初期はこういう脚本書いてたんだと意外な気持ちになった。

ドラマティック裁判ものは個人的には好きではないけど、でもこの映画はとても面白かったな。




基地の兵舎で兵士が死ぬ事件が発生。
殺したとして二人の兵士が逮捕、起訴される。
だが二人に話を聞くと、彼の部屋には行ったが殺してはいないし、独断でやったと思われているが上からの命令でやったということだった。
だが誰に聞いてもそんな事実はないと言われる。


この事件を担当することになったのが、軍属のハーバード大大学院卒業の若手エリート弁護士のトム・クルーズ。


この主人公が典型的エリート思考で、ほんといけすかない笑 上官だろうが何だろうが気にもしない。

軍にはこの主人公みたいなエリート街道もあれば、努力と能力で上がってくる叩き上げ街道もある。そこら辺のバランスの難しさみたいのが映画からでも伝わってくる。


今回は、さっさと罪を認めて司法取引をすれば過失致死に落としてすぐ刑務所から出てこれるが、裁判をすることになれば終身刑を求刑するぞと脅される。
しかし被告は正義感が強く、私達は殺してないと譲らない。最初は馬鹿な選択だと取り合わなかった主人公だが、熱意に圧され裁判に挑む決意をする。




軍という組織の普通とは違う難しさと、成長していく主人公をしっかりと描いた映画。

今回の事件の元凶のジャック・ニコルソン演じる大佐がすごい迫力を放ってるんだけど、この映画だとどう考えても利口ではない人間になっちゃってて、そこがね…
かなりの早さで出世したということがあえて示されてるのに、それに見合ったものを全然持ってないように見えた。
そのせいで裁判がとてもチャチなものに見えてしまう。それでスコア下げた人も多いんじゃないかな。



ヒューマンドラマとしては、正義を貫くってことがどういう結果を招くかってのを軍ならではのことも入れ込んでとても筋の通った話で描いていて、とても良かったなあ。

あとやっぱトム・クルーズは華がありますね!
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