「アンナチュラル」「MIU404」を復習して臨んだ野木亜紀子さん脚本×塚原あゆ子さん監督×新井順子さんプロデュースの映画。
もうお祭りと言っても過言ではなかったです。パンフレットにもありましたが、ある種アベンジャーズ的な。野木さん、塚原さん、新井さんにありがとうと言いたい。
満島ひかりと岡田将生って「悪人」以来14年ぶり共演らしいけど、久々振り返ってみようかな。超豪華キャストですが、さすが実力ある二人の俳優がしっかり軸を作っていた感じがします。
物流2024問題と言われて久しいですが、プラットフォーマーと大手宅配業者とラスト(ワン)マイルの中小宅配会社。川下に行けば行くほど皺寄せがいく。プラットフォーマーにプラットフォーマーの大義名分やポリシーがあり、カスタマーセントリックの名の下に、川下には配達一個150円を強いられ、お昼休憩も満足に取れない人たちがいる。
しかもそういった縦の繋がりだけではなく、その起点は我々消費者のWantであり、それも本当のWantと、プラットフォーマーに煽られたWantがあり…。煽っている側のエレナだって、いらんもん買っているのが皮肉。
What do you want?
我々はみんな同じベルトコンベア上にいて、誰か1人が止めようと思っても、すぐに取り除かれ、ベルトコンベアは同じスピードを取り戻す。
観終わった後、お祭りの高揚感と共に、当たり前の日常と隣り合わせの危険があり得ること、そして自分が便利さを享受している反面、便利さを支えている人たちへの負荷に加担していること、そしていずれ回り回って自分に跳ね返ってくるであろうということを改めて思い知らされました。
一度便利になると、少しでもそのサービスレベルが落ちれば不便と感じてしまうヒトの感覚を矯正しなおさないといけないのかも、とか思いました。
MIU404やアンナチュラルのメンバーが出てきた時のキターーーっていう感じがやっぱり良かったです。特に志摩と伊吹の登場、伊吹のこのノリ最高だよなってなりました。きゅるきゅる。
一文字違いの火野正平と宇野祥平の親子も相当良かったです。本当の親子って言われても全然不自然じゃない。火野さんは宇野さんに「名前真似すんなよ」と言ったとか。
細かい演出もすばらしかった。あの方が飛び降りて床に横たわっているシーンと、ディーンフジオカがジムで寝そべっているシーンの対比、最後の被害を抑えたのが最川下の人たちだったことなど。
デリファス社はどう考えたってあの会社のことを指しているけど、観終わった後やっぱりデリファス側が悪者に見えてしまうことは大丈夫なのかな、とかは少し思いました。
ブラックフライデーの時ってあんなイベント会場的に働きにくる人誘導するんだ!季節労働者といえばノマドランドのことを少し思い出しました。
ジェットコースター的なエンタテインメント性もありつつ、我々にとって身近過ぎる社会問題を題材にして、こちらに問いかけてくる作品となっているのは、やっぱり製作陣の腕力と出演者の魅力!
夏の締めくくりにお祭り楽しめました✨