ずが

ラストマイルのずがのネタバレレビュー・内容・結末

ラストマイル(2024年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

『アンナチュラル』は結構前に見て、面白かった印象。『MIU404』は今作の予告が出た辺りに、未見だったので鑑賞してみたが予想以上に神ドラマで一気に見入ってしまった。今作はそんな2つのドラマとシェアードユニバースという形をとっているとの事で期待せずにはいられない。お仕事ドラマの世界観共有系は海外でもあまり聞かないし面白い試みだと感じた。

最近流行りのユニバース型の悪い所は新規に優しくない所だと思う。特に最近のMCUなんかは本来新規が100%楽しめるべき作品が他の映画ならまだしも、ドラマやMCU以前の作品群等も見ていないと80~90%位しか楽しめないようなものになってしまっている。私は勿論これを理解した上で追っているのだが如何せん新規には敷居が高いように感じる。このような形態を日本のドラマ、映画の間でも行おうという気合いは十分だが少々不安に感じていた。ただ今作を鑑賞してその不安が完全に払拭された。今作はドラマを見ていない新規でも100%、見ていたら120%楽しめるものに仕上がっていた。カメオがカメオに留まらずしっかりストーリーの歯車の1部となり機能しているが、だからといってドラマのメンツが前面にしゃしゃりでることも無く、とても良いバランスを保っていた。ラストの爆弾を親子から回収しにいくのはMIU404の機捜の2人でも良い気もするのだが今作の私のお気に入りでもある配達員の親子が向かう。今作のキャラクターに花を持たせて、機捜を使い過ぎずグッと留めたのもポイントが高い。

上記の配達員の2人も良かったが、他のキャラクターも全員良かった。外から見ている我々からしたら人命が掛かっていることなのだからさっさと工場や配達を止めろよ!と思うのだけど、登場キャラクター達はこんな事では止める気は無い!この一見理解し難いのだけど確かに物流が止まれば社会が止まり、日本が止まる。それこそ失われる人命は多くなるのは確実で絶対に物流を止めない仕事人達の本気が良かった。阿部サダヲが社長に電話するとことか追い詰められた会社員の熱量や配達員のお爺さんが一軒一軒遅くなったことを謝りながら届けているシーンを見て、当たり前に配達物を好きな時に受け取れる事に感謝しないといけないと感じました。
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