このレビューはネタバレを含みます
ずっと楽しみだったーーーーー
あっという間に終わってしまった
サウンドチェックを図るかのような各スピーカーからのノイズと共に現れるA24のロゴ これだけで不穏な空気を充満させるには十分 エクス・マキナに続き、またもや実験的な作品だった
分断されたアメリカ、星がふたつしかない星条旗 どうして内乱へ発展してしまったかは明確に描かれていないけれどカナダドルなら一部のものが等価で買えること、ホワイトハウスを執拗に攻撃し迎えたあの最後、ゆっくりと浮かび上がってくる写真から大統領が発端であることは予想がつく
アメリカの地理に詳しくなれそう
ボーイズ・ステイトを想起させたりも
エンドロールにはいなかったジェシー・プレモンス扮するミズーリの発言とか、米国人にとっては当たり前の知識なのかな 命の危険の前では相対する人が正規軍か反乱軍かなんて関係ない
ヘンダーソンはBeau Is Afraidで信用していなかったけれどNative Sonと今作でだいぶ安心感のある(私個人の)印象になってきた、作中でリーがサミーのことを'傍にいてくれる'と評した、ワシントンへ向かう中バッグの中を整理するジェシーに'見ておくんだ'とアドバイスしたり、皮肉を込めて'古参からの助言だ'と寝かせたり、戦地へ赴こうとする彼女を止めようとしたり、ジェシーの中の戦場カメラマンという立場とひとりの人間という立場をどちらも尊重したいという葛藤の表れが見て取れる
テキサスとカリフォルニアだけであそこまで攻められるものなのか、どのぐらきの戦力差だったのだろう 隣国も他人事ではないだろうと思う アメリカに住んでいる他国の人々も劇中で嬲り殺された彼ら2人のような扱いを受けることもあるだろう
内戦に関与しないショップに入った2人が写真を撮るシーンが好きだった リーを笑わせた瞬間にシャッターを切るジェシー、これの次に彼女を撮るのが死に際になるなんて
戦場カメラマンとしての職務が人の死を超えることでしか大きくなれないのだとしたら辛すぎる
ともあれこんな形で夫婦の共演が実現したの嬉しいよ