千年女優

シビル・ウォー アメリカ最後の日の千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
合衆国憲法破りの三期目を迎える独裁政府に反発した州が分離独立して内戦状態にある米国。反体制派率いる西部軍が首都に迫る中、戦況を追う新人ジャーナリストで強引に憧れの先輩カメラマンのリー一行に参加したジェシーが、無法地帯の郊外やいよいよ始まった首都での市街戦で抜き差しならぬ状況を収める描いたディストピア映画です。

脚本家出身で監督作では女性を主人公にした風刺的作品を手掛けるアレックス・ガーランドがA24製作で作り上げた作品で、新鋭として存在感増すケイリー・スピーニーをキルスティン・ダンストが支えるタイムリーな物語が受け、A24史上最高の予算五千万ドルの期待に応えて『ヘレディタリー』を超るスタジオ最大のヒット作になりました。

大統領選を控えて深刻な分断が現実味を帯びる様を”Okay, what kinds of American are you?”というパワーワードが象徴する痛烈な展開と描写とで捉えます。作劇としては些かあざとくとも新人ジャーナリストを通して描くことで映画を「現実を目の当たりにする」ものとしていて、可能性生むはずの「違い」が対立軸になる悪夢を綴る一作です。
千年女優

千年女優