福福吉吉

シビル・ウォー アメリカ最後の日の福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
近未来のアメリカでは多くの州が政府から分離独立を表明し、内戦状態に陥っていた。戦場カメラマンのリーたち4人のジャーナリストはメディアの取材に応じていない大統領への直撃インタビューを行うべく、ホワイトハウスを目指す。しかし、激しい戦いで荒廃した各地を通過していく必要があり、彼らは命の危険にさらされながら目的地に近づいていくが...。

◆感想◆
アメリカ合衆国から多くの州が分離独立するという設定の中で、ジャーナリストたちがその内戦によって荒廃したアメリカの現実に直面していくストーリーとなっており、独裁をふるう大統領に各州が反発して分離独立するという設定が架空のものながら現実味があって、映像としてアメリカ各地の荒廃した姿が非常にリアルに描いていて、迫力と絶望感に圧倒されるものがありました。

ベテラン戦場カメラマンのリー(キルスティン・ダンスト)と記者のジョエル(ヴァグネル・モウラ)、リーの先生にあたるサミー(スティーヴン・ヘンダーソン)のもとにカメラマン志望の若者のジェシー(ケイリー・スピーニー)が接近するところからストーリーは始まり、ジェシーの参加に難色示したリーだったが、ジョエルの説得もあって4人でホワイトハウスを目指すことになります。リーはジェシーの身を案じて拒否したのであり、4人の関係は良好だったと思います。

各地で無政府状態の中で人々がそれぞれ生き残る戦いを繰り広げるとともにその無政府状態を利用してやりたい放題する無法者たちがのさばっており、人の死に何度も直面していくうちにジェシーはカメラマンとして成長していきます。他の3人がジェシーに様々なことを教えていく姿は彼らのジャーナリストとしての結束と報道の必要性を実感させるエピソードになっていて良かったと思います。

ストーリー終盤になると、独立した州の勢力がホワイトハウスを攻略する展開になり、そこからは完全に戦争映画になっていたと思います。その中でジェシーがどんどん突っ込んでいくのですが、戦場の熱気にのぼせているようにも見えて、戦場では人の平常心などあっさりと消え失せてしまうものだと感じました。

内戦状態のアメリカの映像がかなりよく出来ていて、目を奪われるとともに無政府状態の人々の狂気を感じずにはいられませんでした。なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2025年3月13日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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