こうだい

劇場版 チェンソーマン レゼ篇のこうだいのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

もはや観るというより、浴びる映画。

日本的マンガ描写をそのまま映像化したような勢いとテンポとスピード感。もはや何が起きているか分からない、描き殴られたような作画の暴力性そのものが、“ボム”の圧倒的な移動速度と臨場感を見事に表現している。そこにサメの悪魔・ビームの活躍が加わり、デンジの移動手段となった時の疾走感が最高。

音楽良すぎ。特に米津玄師によるOP『IRIS OUT』は帰り道から無限リピしてしまうほどに耳に残る。

心はマキマさんにありながら、体はレゼに惹かれてしまうデンジに終始ニヤニヤの恋愛パート。レゼって言葉にし難い魅力があるよね。下着で学校のプール泳ぐのかと思いきや、いきなりレゼの方から全裸になるというサービスショット。突発的な出来事に思えたが、これがラストの抱き合いながら2人で水に溺れてゆくというデンジの決断の源泉に。レゼに「すべて嘘だった」と告げられても、「泳ぎを教えてくれたのは本当」と返すデンジの純粋さに心が動く場面でした。

冒頭の私服のマキマさんが可愛すぎる。

血を飲みすぎたパワーのツノがギャラクタスみたいになってて笑っちゃった。

寿命を奪われてでも天使の悪魔の手を掴んで救い、「もう俺の前で誰も死なないでくれ」と呟くアキくんに地味にウルっとくる。

そして、ラストにおけるレゼの「実は私も学校に行ったことがなかった」という告白は、デンジとの共通点を示すと同時に、彼女が育った不遇な背景を浮かび上がらせる。デンジとの逃避行を夢見て駆け出すも、マキマにあっけなく葬られるその瞬間、残酷さと切なさが極まる。「なんで初めて出会った時に殺さなかったんだろう」というレゼの最後の言葉がなんとも切ない……。
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