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スオミの話をしようのrinのネタバレレビュー・内容・結末

スオミの話をしよう(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

What Ever Happened To Suomi?──三谷幸喜最新作は、スオミの現夫と元夫4人が集まって失踪したスオミを探すコメディ。5人のスオミ像は全く噛み合わず、スオミがそれぞれの夫時代別にキャラを使い分けていたことがわかってくる。「スオミ」って良いネーミングだよな。日本人に絶対にいないのにちょっと存在しそうなバランスが絶妙。

ギャグもミステリーもビミョーだしテーマ性も釈然としないし、観ててどうしようもなかった。ギャグが面白いと感じるかどうかは多分に個人差だろうからいいとして、ミステリーに意外性が全くないのは残念。ラストにかけて、劇伴スタートからの歩き出しながらの推理披露に古畑任三郎を感じてワクワクしたのに、結果犯人も動機も予想通りすぎるじゃん。古畑任三郎は倒叙形式だから予想通りでいいじゃんて?そっかい。

いちばんの問題はスオミのスタンスを有耶無耶にしてるところだと思う。まず、5人の中で相当の毒夫感があるふたり、西島秀俊・坂東彌十郎との夫婦生活を一定期間とはいえ我慢させられたのに全く糾弾せずに一緒にミュージカルまでやっちゃうハッピーエンドはおかしい。身代金を全額せしめるくらいじゃないと釣り合わない。本作、オープニングタイトルで“ALL ABOUT SUOMI”と英題が出て、これは映画史に残るだだだだ大傑作『イヴの総て』(原題:All About Eve)のオマージュのはずで、そうなるとスオミはベティ・デイヴィスを踏み台にしてのしあがっていくアン・バクスターに相当するので、その意味でもラストの扱いはぬるすぎる。

結局、父権的な女性搾取の物語にもしたくないし男を手玉に取る女性の物語にもしたくない、でも黄金期ハリウッド映画みたいな(三谷幸喜はキャプラファンだったはずなのできっとキャプラスク的な)ハッピーエンドにはしたいという“ことなかれ主義“が出ちゃってないかな。

てか英題の引用、“What Ever Happened To Suomi?”のほうがしっくり来ない?
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