何と言われようと津川雅彦
演技の幅がすごく広がっているように思えました。
スーパー店主の五郎はありとあらゆる男の良いところ悪いところを体現しているようなキャラクター。
ヘタレだったり鈍かったりだらしなかったりするけれど、可愛くて優しくて無邪気に夢を持ってて、花子に気があるけれど決して無理強いはしない。亡くなった奥さんをまだ愛しているし、いざとなったら男気もみせる。
それをちゃんと演じてて素敵。
酔っ払いの演技も上手いですね。
普通はロレツが回らないフリをすると思うのだけれど、それだとセリフが潰れちゃう。なので口調でなく動きで酔っ払いを演じてます。
宮本信子の花子はマルサの亮子とキャラは被るけど、よりコメディに寄せてひょうきんな女を演じてます。
安売り店や悪徳スーパーの裏の手を暴く、当時としては驚きの内容でしたね。
今、こんなひどい店は滅多にないと思うけれど、店を守り育てるのも消費者のお役目というメッセージは今も有効でしょう。
伊丹作品として考えると今や衝撃的なテーマとは言えないけれど楽しいし、見苦しいエロ担当女も出ないので、
私は本作が一番好きかもしれないです。
