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スーパーの女の655321のレビュー・感想・評価

スーパーの女(1996年製作の映画)
3.5
おとなりの悪どい激安スーパーの妨害やら
派閥を作って内部で対立する店員やら
負のスパイラルに陥っているダメスーパーを
宮本信子さんが立て直す
痛快な『〜の女』シリーズ。

久しぶりに会った同級生の頭を指差して
「お前の広くなったココ、スクーター1台くらい駐車できるんじゃないか?」
という宮本さんの煽りがキレッキレで最高笑

ヒドイ人間は沢山出てくるんだけど
なーんか伊丹監督には愛を感じるんだよなあ。
きっと人間のことが好きなんだと思う。

伊丹監督の人好きを感じる、
個人的に大っ好きなトコがある。

わりと序盤から駐車場係のおっちゃん(警備員の服を着ているけど、実質カート集めが仕事のおっちゃん笑)がたまに画面に映り込んでて、台詞こそ無いけどなんとなく気になる存在だった。
そして終盤。
このスーパーを辞めるのか辞めないのかの派閥に分かれてモメてるときにシレっと裏切るおっちゃん。
まあ生活もあるしね。向こうの方が給料良さそうだし。

そして場面は変わって
新しい門出を祝う席にまたもシレっといるおっちゃん。

ジジイこの野郎!笑 ニッコニコじゃねぇか!笑

登場人物たちが全然気にしていないので
観客もほとんど気付いてもいないと思いますが、
こういう人間のヒドイ部分にかわいらしさを見つける伊丹監督が好き。

あ、そうそう。このおっちゃんは里木 佐甫良さんという俳優で、実は伊丹映画のほとんどに出演している方なんです。
雑な扱いの役に常連俳優を使うなんて遊び心あるなあ。
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