カシツルワバラアユアイカム

日本女侠伝 侠客芸者のカシツルワバラアユアイカムのレビュー・感想・評価

日本女侠伝 侠客芸者(1969年製作の映画)
4.2
久しぶりにすごいグッときた感触。
石炭が燃える石と呼ばれていた時代、九州の鉱山地帯。
しがない一鉱山の主であるセイキチがヤクザまがいの鉱山持ちに、山を奪われそうになる。
その間に入っていく売れっ子ゲイシャのシンジ。

高倉健、はじめてみたけど、こんなにカッコよかったんだ…
顔がとびきりの二枚目というわけでもないけど、なんかあのたたずまいに喋り方、すごいカッコよかった。

こういうのを任侠モノというの?
ジンギ?イキ?スジ通す?
そういうのすごい感じた。

セイキチとシンジ、それぞれクギを刺されに刺されながらしっかり生きてきて、そしてある時、二人は出会い、確実に惹かれ合っていたはずなのに、どうして一緒にはならないのか…他になにを求めていくのか…
なにか通すべき筋が他にあるのか…

さきのことはわからねぇが、おれとおめぇさん、いまやるべきことはそれぞれちげえはずだ、
なんていって、二人は別れ、
そのあと、それぞれが、めちゃくちゃに暴れる。
シンジは座敷の上でかぶきにかぶき、セイキチは大須賀の本部に乗り込む。
交互に差し替えられる二人の舞い。
そこからのラスト、本当に圧巻だった。
シンジの顔のアップ、涙を流しながら、それでもベニを塗る…。
グレイト(泣)

女が盛り立てないと、男社会も成り立たないんだね、たくさんのゲイシャ達うつってたね!
ゲイシャ踊りも、節もよかったね!

本当にすごくよかった!

フィルムセンターで見たけど、あそこは本当にグッドバイブス!
みんな、声をあげて笑うし、おじさんはいびきをかいて寝るし、おばさんは鼻をすすって泣いてた!よかった!