HolgerShumai

旅芸人の記録のHolgerShumaiのレビュー・感想・評価

旅芸人の記録(1975年製作の映画)
3.9
平和な平成の日本で生まれ育ったので、国民としてのアイデンティティ獲得、みたいな内容には入り込めないことが多い。(国民としてのアイデンティティが空気のように当然なものとなっている世の中では、アイデンティティは個人で獲得するものと思ってしまうのだ。)この作品もその例に漏れず、あまり入り込めなかった。あと共産主義者視点でのストーリー構成って珍しいですよね。大体悪者じゃないですか、共産主義って。時代を感じる。
入り込めなかったものの、登場人物が行うモノローグや冒頭、終幕の演出など、グッとくる箇所は多く、流石アンゲロプロス。