みんと

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版のみんとのレビュー・感想・評価

4.3
圧巻の映像美だった~
そして、ウトウトしそうになるくらい心地よい音楽の美しさ!
勿論、2回観た。

優美な映像と唯一無二の虚構世界。ダニエル・シュミット監督、3作目にして作風を理解した気がする。
幻想世界を描くのが巧い!そしてその世界へ誘うのが巧い監督だなぁ…

17世紀のスイス、革命家イェナチュは宿敵を殺し権力を手に入れた後、自身も数年後に謎の人物によって殺されてしまう。
彼の死の真相を探る、現代の記者クリストフだったが、次第にデジャヴュ(既視体験)に悩まされるようになるのだった……。

タイトルからして難解さを予想させる。
セリフ少なに現実と幻想を行き来しデジャヴュ体験させられる感覚が理解を遠ざける。
まるでイメージを映像化したかのよう。

1度目は取り敢えずラストを見届け冒頭に戻ってなるほど~。2度目は発見の多さに驚き!更に回数を重ねて味わい尽くせるタイプの作品だと思う。

ともあれ、古城内、列車内、アパートの部屋、衣装…と、装飾のディテールの拘りと色彩センス、完璧な構図に釘付け。
それだけでも大満足!
更には、謎に惹き付けられ惑わされる登場人物たち、山岳地帯の雄大な風景美、すれ違い続ける列車、車窓に映る幻影、狂騒のカーニバル、
ハッと息を飲むあのシーン。
なんと言ってもキャロル・ブーケのジャケのシーン…

はぁ、印象的なシーンが多すぎる。

80年代のポップな世界と17世紀の幻想的な世界。現世と前世が絶妙に入り交じる、サスペンスフルな不思議体験だった。
みんと

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