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馬賊芸者のmitakosamaのレビュー・感想・評価

馬賊芸者(1954年製作の映画)
3.8
スカパーにて。コレは面白かった!

大正初期の福岡の花街が舞台。柳町の方かな?第一次世界大戦後ということなので大戦景気でバブルだった時代やね。成金が「ドウダ明ルくナッタロウ」の世界だ。

博多の気風の良い、逞しい芸者さんを馬賊会社と呼ぶのだそうな。この芸者さん信吉に京マチ子。
気だてが良いというか、感情の起伏が激しい。よく笑いよく怒りよく泣く。
こういう、かしましいお水は何時の世もモテるんじゃのう…。またこの役の京マチ子がセクシーなのに本当にキュートだ。

成金が多い中、上客の山辺(志村喬)は粋で遊び方も上品。信吉を身請けしようと思っている。

宴会の関で歌舞伎役者が芸者の三味線で踊らなかった事に立腹。復讐のため、歌舞伎の人気投票において芸者衆総出で対抗馬の役者を擁立し組織票を狙う。
結局その対抗馬の役者は2位に甘んじるのだが、その役者・小十郎(高松英郎)と信吉は良い仲に。
だが小十郎とは死別。
その後ソックリさんの博多人形作家が現れホの字。

恍れっぽい!!!それがまた可愛い!ラテン的な情熱を感じる。

人形作家に猛アプローチするも玉砕。実は妹分と既に出来ていたが、一方的に妹分が身請けされ売られてしまう事態に。

そこで信吉は山辺に相談し、無条件で2万円を身請け代で貰う。
ええええ?大正初期の2万円って、今でいう8〜900万円くらい??それを理由も効かずポンと出す粋が凄い。
こういう金の使い方をしたいものですなぁ。

信吉も散々喚き散らしたりしたが、周りがちゃんと理解を示してくれる。信吉は結局山辺の元へ。
そこで黒田節を謳い、舞う2人。

情熱的で、でも品がある。これぞ粋。良い映画を見ました。
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