娘をライブに連れてったら警備がやたら厳重で、どうやら会場内に凶悪犯が紛れ込んでいるらしいのだが、実はそれは主人公なのでした…というあらすじの時点でかなり面白そうなシャマランの新作。
フィルマの平均点はそれほど高くないが、「ザ・ウォッチャーズ」なんかと比べれば遥かに面白いし、主人公に都合が良過ぎるツッコミどころは多々あるもののヒッチコック風のシナリオもお見事で、流石のシャマラン。
ただ、いくら何でもシャマランの娘推しが過剰。本来なら殺人鬼役のジョシュ・ハートネットが一番目立たなければならない筈だし、実際彼はとても良い仕事をしているのだが、完全に娘に食われている。シャマランの娘の芝居が上手いからでも、存在感があるからでもなく、娘が一番美しくカッコよく見えるように演出されているからだ。娘が歌う場面も多過ぎるし、長過ぎる。
異常なまでの娘推しが作品の内容と相まってメタ的な効果を生み出していることも事実だが、映画のバランスを大きく崩していることも間違いないので、非常に残念。
十分面白かったけどね。