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つゆのあとさきのisa90のネタバレレビュー・内容・結末

つゆのあとさき(2024年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

強烈な非情や辛いことがあると、人は感情を殺そうとする。感情を無くせば辛い思いをしなくて済む。だけど、感情を失くすと言うことは嬉しいも楽しいも無くなって価値観が迷子になる。そういう主人公の様子に臨場感があって惹き込まれた。
ポジティブな感情って失くしやすいけど怒りとか悲しみってなかなか失くせない感情なんだって思った。そんな主人公でも、不意にさくらの純粋さ優しさに触れて何とも言えないけど少しはプラスな感情が出てくる。本音を話しても良いと思えるようなさくらと出会って内面が少し変化する。自分は死ぬほど辛い時でも泣かなかったけど、さくらが死んだら感情を押し殺してた琴音が珍しく泣く。切ないし、映画らしい突飛な展開だけどなぜかどこか現実感もあって、見終わったあと余韻も残る好きな感じの名画でした。
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