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怪盗グルーのミニオン超変身のtetsuのレビュー・感想・評価

3.3
なんやかんやシリーズを追いかけていたため、鑑賞。

元・怪盗でいまや反悪党同盟に所属するグルー。その家族に新たな赤ちゃんが誕生!
しかし、彼に恨みを持つ同級生・マキシムの襲撃により、一家は身分を隠して新生活を送ることになった。
一方、グルーの子分・ミニオンたちは、スーパーパワーを手に入れることに……!

行き当たりばったりの脚本で、正直、怪盗グルーシリーズとしてはネタ切れを感じざるを得ない一作だった。

作品全体に一貫するテーマは「変身」。
(『ミニオンズ フィーバー』のアニマル化に味を占めたのか)ミュータント/ヒーロー化するミニオンたちを筆頭に、人間を昆虫化させる悪党・マキシム、グルーたち一家は別人に「変身」して新生活を送るといった内容。

しかし、それらが主軸として描かれるわけではなく、短編アニメーションを羅列したような展開が続き、最終的には「仲直りは大切!」みたいな"友愛"の物語に帰着するシンプルさ(色んな愛を描いてきたシリーズのらしさはある)なので、正直、メッセージ性は皆無。笑

ある意味、YouTubeやTikTokを筆頭に、ショート動画の需要が高まる現代社会を象徴する作品なのかもしれないとは思った。

なにより、面白い題材の詰め合わせながらも、それぞれが未消化のまま、ごちゃごちゃしながら終わっていくのが、何ともモヤる。笑

ベイビーグルーの活躍、いじわる少女の企みで怪盗に復帰するグルー、新生活で葛藤するグルーたち一家、彼らを追いかける学長、昆虫化を武器にするマキシムに、彼とグルーの確執、さらには、超変身するミニオンたち……。

それぞれのエピソードは魅力的なはずが特に深掘りされることがないため、出オチネタのようになっているのが、かなり、もったいないなぁと思ったり。

とはいえ、同時多発的に描かれるストーリーラインが、クライマックスで強引にまとめられる腕力には、感心させられたのも事実ではある……。笑

『スパイダーマン2』や『X-メン』、『ファンタスティック・フォー』などのヒーロー映画要素、『ターミネーター』のアクション要素と、映画好きにはたまらないパロディも多かった本作。

作品としてのまとまりには苦言を呈したい部分も多かったものの、ラストではファンには嬉しい大団円もあり、シリーズを観てきた方には必見の一作だった!


参考

笑福亭鶴瓶さんが盟友吉幾三さんへ直接出演オファーで参加決定!?吉さんによるグルー吹替歌唱本編映像解禁! | ニュース|映画『怪盗グルーのミニオン超変身』公式サイト
https://minions.jp/news_despicableme4/2024/07/31/info0731
(鶴瓶やん、ikzoにムチャ振りするの巻。ちなみに、この歌唱場面の後半でシリーズファンへのサービスシーンがあります。)

【本編映像】映画『スパイダーマン™2』スパイダーマンvsドクター・オクトパス!列車での格闘シーン!
https://youtu.be/fZSL3saByQk?si=OhKXqN0G3qAQO5co
(『スパイダーマン』シリーズを代表するシーン。)
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