品川巻

心の旅路の品川巻のレビュー・感想・評価

心の旅路(1942年製作の映画)
3.8
元祖記憶喪失メロドラマ。奥さん再登場のシーンで「え??!」って声出た。
物を見て思い出せなくても、景色なら思い出しやすいのかな。

嫉妬で狂いそうなことがあっても頑なに事実を隠し続けたポーラ。天然そうなのに、とても勘のいいキティ。どっちもいい女...
「私がわがままで鈍感だったら良かったわ」と告げて去るけど、そこがいいのよあなた...
「あなたの目の前まで行ったけど、目の前だけじゃ一生続かない」なんてセリフ出てこないよ。

それに対して、結婚を「過去に囚われたもの同士の合併」とか言っちゃうスミシィ。悪気なかったとしてもロマンがなさすぎる。

彼らが何故惹かれあったのか、
あんな簡単に踊り子の仕事を放棄できるのか、精神病院の主治医が何故彼女の傍にいるか、何も説明がない。
ただ彼らの純愛だけにフォーカスするために、他の登場人物の詳細は排除されている。
キティや主治医など、善人たちを犠牲にして生み出した花道が、主人公たちを幸せに導いていく様が都合いいという意見があるけど、これだけ美しいなら都合良くたって良いじゃないの、と私は思ってしまう。

やぶけた手紙が、次のカットでは元通りになってたのは、まさしく昔ながらの撮り直しで笑った。
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