みんと

心の旅路のみんとのレビュー・感想・評価

心の旅路(1942年製作の映画)
4.4
コレは名作!素晴らしい!
そして感涙必至作品だった。

舞台は第一次世界大戦終結間際。戦争で記憶を無くした主人公が療養中の精神病院を抜け出し踊り子と出会う。二人は恋に落ち結婚し子どもを持つが、思いがけない事故により現在の記憶を失い過去の記憶を取り戻す、、、

まるで『ひまわり』とオーバーラップする戦争と言う悲劇が齎す更なる心の悲劇。
ストーリーは少し異なるけれど心情と言う意味に於いては全く同じ気がする。キャストに据えた主人公と二人の女性のキャラも何となく重なった。

終始感情移入しっぱなしのストーリーが心を捉えて離さない。終盤 記憶が繋がってゆく毎に感じる鳥肌がたつような高揚感からラストで一気に涙へと着地する流れは予測通りながらも感動的。

クラシックの名作は捻り過ぎなくても安っぽく感じない重厚感と純粋に浸れる魔力がある。飾り立てたり、凝った演出も、必要以上の音楽も要らない。
誰しもの心にある柔らかい場所に優しく問いかけてくる。

終始ポーラの視点で観てしまうけれど、同じ女性としてあれ程の忍耐力と愛を貫く覚悟が持てるだろうか。そして割り切れるだろうか、、、
真実を明かし詰め寄り醜態をさらけ出す方がよっぽど楽ではないだろうか、、、

強い女性の概念がまるで変わる。弱さも優しさも心の広さも、全て併せ持った上での女性の強さはやはり美しい。

スミシーのとポーラ。二人がラストに辿り着くまでの長きに渡る心の旅路、そして未来を思い自然と涙が溢れる良作だった。
みんと

みんと