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理由なき反抗のRIOのレビュー・感想・評価

理由なき反抗(1955年製作の映画)
3.5
新しい街へ引っ越してきたばかりの高校生・ジムは泥酔して暴行の容疑をかけられ、警察署に補導される。そこには父との関係に悩み家出したジュディ、裕福ながら親との希薄なつながりに絶望し子犬を撃ったプレイトーもいた。ジムは翌日、転校先で彼らに出会うが、ジュディらとつるむ不良から目をつけられてしまい…。

「ラ・ラ・ランド」に引用されていたことからやっと鑑賞しました。
子供から大人へと差し掛かる年頃は誰しも間違いなく経験のある時期で、彼らは象徴的に描かれてはいるものの、どこかしらかつての自分と照らし合わせられる部分があるように思います。
思春期の閉鎖的な空間での焦燥や感傷は、乗り越えた今でもその原因がわからないままのように思え、そういう漠然とした不安がいっぱいに満ち満ちて描かれている今作は、公開当時衝撃的だったことも今なお青春映画の名作として語り継がれることも充分納得出来ます。親から愛情を受けてないわけでもなければ友人がいないわけでもない、それなのにふとどうしようもない不安に襲われたり、少しのきっかけで周りに当たってみたり。
客観的に見ればおかしく感じてしまうほどですが、友人が靴下の色を間違えたことにあれだけ笑えるのも、自分が見ている狭い世界に不安を覚え衝動的に暴走してしまうのも、紙一重の無邪気さと不安定さのように思えます。

最も評価されているであろうジェームス・ディーンの迫真の演技はやはり見所。プライベートのイメージと重なる役柄と、アイコニックなファッションも代表作として語り継がれる所以でしょうか。鬼気迫る表情からもの悲しげな表情まで、激しい感情の起伏に伴う演技に引き込まれました。
それぞれ異なった不安を抱えるキャラクター達の葛藤ぶりが見て取れる演技も各キャスト素晴らしかったです。
個人的には、名シーンの一つであろうチキンレースシーンの、スタートを知らせるジュディの挙動が可愛らしくてお気に入りです。
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