Vシネ時代の香りがする黒沢清の新作。転売屋の話だと思って観ていたら、黒沢清お得意の一人の人間が〇〇を破壊する話だった。
不穏さが静かに忍び寄る前半と、実体を獲得する後半で大きく転換する。個人的には前半のほうが好みで、後半はやや怠かった。(監督的に気合いが入ってるのは明らかに後半だけど)
無理矢理ジャンル分けするなら、ホラーでもスリラーでもアクションでもなく、コメディだと思う。クズがクズ同士潰し合う様は滑稽で、ラストカットは完全にふざけていて良かった。(「クリーピー」にも似たようなカットがあったなあ)
音や光の表現は流石だし、吉岡陸雄はいつも通り気持ち悪くて楽しかった。
リアル転売ヤーの感想が聞きたいところ。