情報をほとんど入れずに鑑賞しましたが…ものすごい作品だった。
藤野の人間臭さ、子供らしい子供である部分が共感できる。対して京本は天才肌の引きこもり…基本この2人しか出てこないし、登場人物が極端に少ないのもとても見やすくてよかった。
後半のアレ、私は池田小事件を思い出してしまった…学校内の無差別事件だからかな。犯人のセリフを思えば京アニ事件だってわかるけど、『学校』『無差別』=池田小なんよなあ。まあ、理不尽で何とも言えない気持ちになったのは、ほんとそう。出会わなければ、部屋から出ることもなければ、こんな事件に遭遇することもなかったんじゃないか?と藤野は自分に問いかけるけれど、出会わなければ、藤野は漫画家になっただろうか。学生新聞の、ちょっと絵がうまい女の子として学生生活を終えて、所謂一般企業に勤める社会人になっていたんじゃないだろうか。そして、「この人生でよかったのかな」ってたまに振り返ったりするんだろうなあ。人生の道は一本しか選べないから難しいね。藤野は京本と出会えてよかったし、京本は藤野に出会えてよかったんじゃないかな。ラストの背中が印象的で、藤野をとても応援したくなった。