藤本タツキの同名短編漫画の映画化。
とても原作に忠実に作られている。ただそれだけではない。もともとの題材がすっごく良いのだけれど、その題材の良さが最大限に活かされている。いい食材をいい料理人がシンプルに仕上げた逸品といった感じ。
主人公の藤野と京本がそのまま動き出した。全く違和感がない。アニメなのに藤本タツキのタッチがあり、それがちゃんと動いている。当たり前のようだけど、これは至難の業ですよ。原作者本人が監督した『THE FIRST SLAM DUNK』に通じるものがある。あれは原作者本人が監督したから、あのレベルまで行けた。本作はそうじゃないですからね。ほんとすごいですよ。
あまり凝った描写がないのもいい。いや、実はすごく凝ってるのかもしれないけど、それを観客に見せない。とてもラフな漫画的なテクスチャーを残している。