これは信仰告白の物語。
漫画なる神に人生を捧げ、漫画で奇蹟を起こすと決めた漫画家の、来し方の心象風景であり、絶望と再起の物語。
その意味で、あのIF展開は藤野の妄想などでは無い。アレは漫画の神のもたらした奇蹟。
オレの漫画がオマエに届きさえすれば、この糞ったれな時空の歪みは正され、因果は書き換わり、世に幸せが溢れる。奇蹟は起きる、そうしてみせるっ!
との原理主義的な漫画絶対主義者の狂信の叫びのようであり、そのようで 在れ との切なる祈りのようでもあり。
主演の二人の少女は原作の藤本タツキ先生を分けたものであり、藤本先生と彼の作品を通じて繋がる読者であり……もしかしたら先生と、あの事件の犯人なのかも知れない。
なのに、何故っ、オレの漫画はオマエに届かなかったんだっ。
青葉真司(京アニ事件の犯人)っ!
との絶望の呻きと、それでも漫画を描き続けると、いつか届くと信じる、ある漫画家の再起の朝。
あの背中に、そんな想いを感じた雑魚なのです。
映画の前のCMで流れた、京都アニの山田尚子監督の新作予告は偶然では無いと思う雑魚なのです。
(かなり、オレサマの感想の入ったレビューで、申し訳ない🙇)