千年女優

エイリアン:ロムルスの千年女優のレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
3.5
彼方の惑星ジャクソンに暮らす宇宙移民の子で、亡き父が遺した旧式アンドロイドのアンディと鉱山労働者として働くレイン・キャラダイン。劣悪な環境に耐えかねて友人らと共に事故による破損で放棄された研究用宇宙施設ロムルスへ向かった彼女が、かつてそのクルーを全滅させたエイリアンの脅威に戦慄する様を描いたSFホラー映画です。

79年に脚本ダン・オバノンと監督リドリー・スコットで世界を震撼させて以来シリーズ化でSF映画史に残るキャラクターとなった『エイリアン』の続編で、スコット節の独創的な誕生譚だった直近二作から趣を変えて時間軸としては初代と第二作の間となる物語をフェデ・アルバレス監督で描き、原点回帰の作風が好意的に受け止められました。

作品毎に監督の個性を色濃く反映させてきたシリーズらしくアルバレスの出世作にちなむドント・ブリーズ展開で観客に息を呑ませます。リブート作としての手堅さを優先する余り挑戦が乏しい点は物足りなさもありますが、新鋭ケイリー・スピーニーの清廉さも相まって「マスコット」化したエイリアンに「恐怖」を取り戻している一作です。
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