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エイリアン:ロムルスのtetsuのレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
4.2
「そういや、エイリアンシリーズ、なんやかんや追ってきたな~」と思い、評判の良さにも惹かれ、鑑賞。

西暦2142年。
女性労働者・レインは、家族代わりのアンドロイド・アンディと暮らしている。
劣悪な生活環境から抜け出すため、数人の仲間たちとともにある宇宙船に向かった彼女は、思いもよらない惨劇に巻き込まれていく……。

いや~、楽しかった!笑
久しぶりにワクワクするハリウッド映画を観たな~という充実感がすさまじい。

迫るタイムリミット、次々と与えられるミッション、そして、伏線回収も兼ねた
スムーズなクリア方法と、まるでゲームのように気持ち良く進んでいく物語が痛快!

ホラーではありつつも、SFアクションアドベンチャー的な楽しさがあり、グロ要素も控えめ(PG12指定)なため、見易いのが良かった。

また、過去作へのリスペクトが高評価されている本作だが、ストーリーの繋がりではなく、そのレガシーを受け継いでいていたのも素晴らしい。

例えば、1,2作目からは、レトロフューチャーなSF的世界観や「男性の加害性(エイリアンはその比喩とも捉えられる)から、女性キャラが生き残っていく物語」という構造。

3作目・4作目からは、バラエティに富んだ新種エイリアンの面白さや監督ならではの作風(本作ならば『ドント・ブリーズ』要素)。

そして、前日譚2作品からは(匂わす程度ではあるものの)神話的なエイリアンの背景。

各作品の良かったところを参照した上で、あくまで本筋は初代『エイリアン』を踏襲したリメイク的内容のため、シリーズ初見でも親しみやすい分かりやすさが最高だった。

ちなみに、フェデ・アルバレス監督は、1本のSF短編映画(『PanicAttack!』のレビューを参照)からスターダムへのし上がり、名作リメイク『死霊のはらわた』、渾身のオリジナル『ドント・ブリーズ』の大成功などを経て、本作に大抜擢された人物。

その経緯だけでも感慨深いものがあり、「映画愛」で道を切り拓いてきたと言える監督だからこそ、本作は「映画の楽しさ」が詰まった作品になったのだろうなぁと思ったり……。

そういう点も含め、エイリアンシリーズの新たな幕開けとして、愛さずにはいられない大傑作でした!


参考

『エイリアン:ロムルス』監督、続編のアイデアあり 製作は急がず「2年で作ってはいけない」|シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/news/N0144861
(何年でも待つので続編は作って欲しいところ。ロムルスの双子にちなんで、『エイリアン:レムス』とかでどうですか……?笑)

新ドラマ「エイリアン:アース」初映像とあらすじ公開 ─ ゼノモーフが地球に襲来か | THE RIVER
https://theriver.jp/alien-earth-teaser/
(本作とは異なる企画でドラマ版も進行中。ドラマの「ファーゴ」、「レギオン」のノア・ホーリーが手掛けるとのことで、こちらも作家性が爆発すること間違いなし)
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