せびたん

めまいのせびたんのレビュー・感想・評価

めまい(1958年製作の映画)
4.0
私の大好きな『気狂いピエロの決闘』を観たときこれのことを思い出してずっと観なおしかたったので。やっと。『気狂いピエロの決闘』だけじゃなく、いろんな映画が影響受けてるのを確認できました。やっぱ名作なんですね。個人的には『裏窓』のほうが好きだけど。あとたぶん同意はあまり得られないけど『白い恐怖』とか。『ハリーの災難』とか。タイトル忘れたけど交換殺人のやつとか。

今となっては90分以降が楽しい映画です。
ずっと前に見た時は、前半も楽しかったんだけどな。教会前の花が咲いてる場所とかに狂気を感じた記憶があるけど今回は普通にしか見えませんでした。
さすがに風化しちゃったのか、それとも私が変わったからなのかは不明です。

けど最後の30分は本当にやばい…
そしてあの終わり方は好きすぎて胸が苦しくなるレベルです。

最初の90分でひとつの話が終わり、あとの30分は後日譚的な雰囲気になるのもおもしろかったです。いろんな名作映画の後日譚考えるの楽しそう。笑

観終わってから考えると結局これは高所恐怖症が治る話にすぎないというのもおもしろいし。

あと、この時代のフィルムの発色が綺麗すぎます。映画館で観たいなあって思わされるという…。こういうのは絶対映画館のほうがいいと思う、トリミングもされてないし。

ヒッチコックの映画は誰にも見やすい娯楽映画なのにいろんな仕掛けがあっていいですね。対象を見つめる独特の視線は、ちょっと米澤穂信という作家さんに似ています。冷徹に近いけどそれよりは優しい感じ。
せびたん

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