ノラネコの呑んで観るシネマ

カミノフデ ~怪獣たちのいる島~のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.5
特撮美術のレジェンド、村瀬継蔵が自らの原作を88歳にして初総監督した作品。
佐野史郎演じる特撮美術家が亡くなり、孫娘とオタク少年が斎藤工の謎の男によって、怪獣が跋扈する未完の物語の世界に召喚される。
怪獣たちは昔懐かしいアナログのザ・特撮。
物語も分かりやすいジュブナイルで、一応孫娘にはクエストの任務も与えられていて、克服すべき亡き祖父とのわだかまりなども設定されているのだが、まあ話的にはどっかで聞いた様な予定調和。
これはやはり日本特撮史に残る数々の作品に参加していた作者が、セルフオマージュを捧げた、クラッシックな特撮の世界を楽しむ映画だろう。
75分の短めの尺も、この内容には丁度いい。
確かにアナログ特撮は現物がある分、造形物などの継承と保存は難しいんだよなあ。
樋口真嗣が黒澤帽子で出てきた時は、ちょっと吹いてしまったw