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天城越えのこぼちゃんのレビュー・感想・評価

天城越え(1983年製作の映画)
3.8
監督・脚本 三村晴彦、原作 松本清張『天城越え』。
第7回日本アカデミー賞、主演女優賞(田中裕子)、撮影賞、照明賞。

主演は伊藤洋一、田中裕子、共演は渡瀬恒彦、平幹次郎、坂上二郎、榎本明、石橋蓮司、樹木希林、加藤剛ほか。

16才の小野寺健三(伊藤洋一、後に平幹次郎)は、下田の鍛冶屋に生まれる。静岡の兄が羨ましく、天城越えを決行する。湯ヶ島で一人の大男が歩いてきた。父が病死して母の情事を見てショックを受ける。

疲れて下田に引き返そうとした時、修善寺の方から女(田中裕子)が歩いてきた。名は大塚ハナ。一緒に行くと言われ顔が赤くなる。女は後から行くと言い、少し残念な気持ちになる。

30年近く経って、天城山の土工殺しの記事を見た。5日後、刑事が訪ねて来て、女がホシと判断し失敗だったと言う。

★川端康成の伊豆の踊子と小説では同じ時代だが、映画では昭和に変更。また、同じルートだけど、方向が逆になっている。

★松本清張が、1954年の天城山、修善寺を散策。実際に起きた天城山の土工殺しをヒントにしている。大塚ハナは架空の人物。少年の旅愁と家庭の悩み、思春期の性の目覚めを描いている。

★ハナは明るく愛嬌があり、タバコを吸う姿も、思春期の少年には色っぽく見える。山道を歩き血が出た足の指を介抱してもらい、唇や襟足、胸元がまぶしく見える🥀🥀。

★ハナと土工は、少年が去った後、山中で濡れ場となるが、田中裕子の白い胸や唇に艶がある💋💋。

★横暴な警察の尋問。十分な証拠もなく思い込みと暴力で、事実でもないことを強要し自白させる。ハナは無罪となったが、シャバに出ることはなく肺炎で亡くなる😥😥。

★ハナが逮捕された際、少年に無言でつぶやく言葉は"さよなら"。微かな笑みは、女中仕事から逃げ出し、少年を弟の様に思っていたからか🌺🌺。

★旅で出会う菓子屋の春画や、呉服屋の「一番怖いのは人間」と言う言葉が、伏線となっている。
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