3ヶ月前というテロップが出てくるのであんなに回想形式に対する意見を持っていたのに大胆なことをするなと画面を見ていると、病院の廊下をカメラが前進し診察室の看板を説明的に収め、室内から会話の声が漏れるなかカメラが徐々に以前の位置に後退するとダミアン・ボナールが診察室から出てくるという一連の流れで妙に音の高い足音が強調される。後にそれは柴咲コウの主観ショットだと言うことがわかるがこの放っておくかおかないかギリギリな曖昧さは黒沢清の魅力だと感じているのでそこそこ楽しめる。他の指摘でもあるように流石に哀川翔、香川照之の組み合わせは奇跡的で、柴咲コウが纏う生真面目さに思うことはあるので、それと比較すると分は悪いが森の中で猟銃をぶっ放される中での逃走劇のあまりのバカバカしさには笑ってしまう。
