新人作家として人気が出てきた妻と、過去の栄光に縋ってスランプから抜け出せない夫。死闘を繰り広げるイカ🦑とクジラ🐳のような夫婦は、二人の息子たちに離婚を告げることに…。
うん、そこそこ面白い!アカデミー脚本賞にノミネートされただけあって、80分とは思えない濃厚さ。同じ監督で、同じく離婚を題材にした『マリッジ・ストーリー』とは、似ているようで全く異なるテイストなのが興味深かった。割とシリアスな『マリッジ・ストーリー』に比べて、本作はやけにコミカルなのが逆に気味が悪い。
いつまでも子供のような振る舞いを見せるクズな夫婦に対して、両親の見ていないところで大人へと成長しようとしている子供たち。離婚によるストレスからか、子供たちの「成長」は良からぬ方向へとみるみる進んでいくのだが、家族みんなどこか少しだけ狂っているのが本当にもう…。それも身近に1人は居てそうな、理にかなった狂い方をしている。
何もかもが徹底したリアリティで、どんな人間観察をすればこんなに濃ゆい性格のあれやこれやを描けるんだろう。何度も繰り返し見ていけば、さらに感情の奥底にある何かを楽しめると思う。まさにスルメ映画!『イカとクジラ』だけにね😏フッ ※これを言いたかっただけ