終始ザラザラした質感の映像は、まるでプライベートビデオを鑑賞しているよう。妙な居心地の悪さとこみ上げてくる羞恥心、温度は勿論、湿度すらも感じる生々しさ。
キャストそれぞれのアップが多いからかな?
両親どっちも「うわぁ、やな奴」って苛立つけど、理解できなくもない、憎めないところが観ていて苦笑い。完全に拒否できない、でも結果傷付けてしまう。教養があっても学習できない愚かさよ。難儀ですな。
兄弟それぞれのシグナルの出し方も可愛くてかなしい。終盤、強がる兄ちゃんが、一気に溢れる感情をそれでも一生懸命に堪えて、父親の手を離し、走り出すシーンの清々しさと切なさ。
音楽やファッションが良い。