このレビューはネタバレを含みます
制作にウェス・アンダーソンの名前があったので気になって鑑賞。ウェスっぽさは薄いけど、お洒落な作品だと思う。
冒頭のテニスのゲームのチーム分けでパパチーム VS ママチームと既に触れられているように、どっちがどっちの親についているのか何度も描かれている。
頭がいいけど、理屈っぽい兄はきちんとした小説を書いているけど、過去の栄光にしがみついてる父親が好き。甘えん坊な弟は雑誌の特集(たしか)などで成功を収める母親が好き。
母親がテニスのコーチと浮気してたり、父親が息子の想い人と付き合ってたり、兄は学校のコンテストで弾いた曲がパクリだったり、弟は図書室の本にとんでもないものを塗ってたり、色々と問題がある家族です。
後半の方のシーンでそれまで父親の味方だったお兄ちゃんが、"ママのところにいたい" って弟の意志を尊重して、"僕は行くから、ここにいさせてあげて" と言ったところは成長を感じます。あとは、事故った父親を最後ちょっとだけ突き放すのも最後の最後で関係性が変わってきたことを感じます。
監督が言っていたように、父親はいつまでも昔の栄光にしがみついて変われず、母親はもがきながらも変わっていくというのが対照的に描かれています。
ラストの博物館でイカとクジラを見ているシーンが良い。