イカとクジラの作品情報・感想・評価

「イカとクジラ」に投稿された感想・評価

のび

のびの感想・評価

3.8
映画『イカとクジラ』は、母親の浮気をきっかけに空中分解してしまった家族が、きりきりと音を立ててねじれていく過程を描く。物語は最後まで家族の抱える問題がこじれたままで、根本的に解決するわけではない。

"家族もの"に多く描かれるような、「離婚を通じて夫婦は互いに自分を見直し、反省すべきは反省し、相手に謝るべきことは謝り、そうして夫婦の危機を乗り越え、以前より子どもたちも成長してハッピーエンドを迎えました」という単純なストーリーではないし、「家族は本当に大切な存在なのです」ということを確認するための映画ではない。その意味ではリアリティのある作品。

両親の離婚と家庭の崩壊に息子たちも否応なく巻き込まれ、家族はみな少しずつおかしくなっていく。『イカとクジラ』は、家族が壊れること、それが子どもたちに良くない影響を与えることはこういうことなんだと、物語を見ていて胸が痛くなってしまう一本。

両親は自分のことや相手をなじることに手いっぱいで、子どもたちにちゃんとした愛情を注げていない。反省も後悔もしない。家族の関係はこじれる一方だし、長男も次男も壊れてゆく。

けれどもそこに救いがあるとすれば、物語の最後の長男の行動だ。壊れてしまった家族の中で、長男だけはひょっとしたらこれまでとは違う地平に踏み出していくのではないかと思わせるところがある。そこにかすかな希望、あるいはかすかな希望の可能性がある。
映画館でみたとき、客は自分だけだった
あの時間は最高だった
grace

graceの感想・評価

3.7
子にとっての「親」という存在。小さな頃は完璧だと思ってた親も、当たり前のように普通の人間で脆くて悩む生き物なのだと気づく。どれだけ真っ当なふりをしていても、心の叫びは行動にでちゃうよね。こんな風に冷静な視点で子供時代を振り返れるようになった時に大人って言えるんだろうなあ。
ラストシーンのルーリードが至高。大事な思い出とか忘れてるかもしれないからみんな思い出せよ!!
Shogo

Shogoの感想・評価

3.8
派手なことは起こらず日常的なことで離婚、家族を描いてる。良い脚本だと思う。喜劇にも悲劇にもなりすぎず、ありがちなもの、娯楽意識のものになっていない。飾らず繊細で興味深くウィットに富んだ良作。バームバックの洞察力はなかなか。キャストの演技も強力。でも、個人的に心をつかんで離さないほどの作品ではなかったかな。
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.3
 テニスコートのネットで仕切られたダブルス・コンビ、父と兄はパパ組で母と弟はママ組となり、テニス・ゲームに興じていた。父親バーナード・バークマン(ジェフ・ダニエルズ)と母ジョーン(ローラ・リニー)の大人気ないやりとり、癇癪を起こし、叩きつけられる父のラケット、息子たちは空気を察してかあまり言葉を発さない。気まずい帰りの車中、後部座席から兄弟は、ジェスチャーでやりとりする前列の両親の絶望的な姿に諦めの表情を浮かべていた。1986年、ブルックリン、パークスロープ。兄ウォルト(ジェシー・アイゼンバーグ)と弟フランク(オーウェン・クライン)は両親ともに作家というインテリの家庭に生まれ育った。ウォルトは父親を心から尊敬しているが、父はかつては人気作家として文壇の脚光を浴びたものの、現在は長くスランプ状態が続き、教職に就いて糊口を凌いでいた。一方の母ジョーンは『ニューヨーカー』誌での華々しいデビューを控えた新進作家で、両者の男女関係は完全に逆転していた。平和に見えた家族の肖像はある日を境に一変する。父親は新進気鋭の妻の才能を妬み、偏屈な夫にうんざりしていた母親は別の男の元へ走る。兄弟は必死に家族関係の修復を試みるが、すっかり冷え切った夫婦は関係を修復する気などない。

 17年婚姻関係を維持して来た両親の離婚危機、公園の反対側に別宅を設ける父親、自らの恋愛遍歴を隠そうともしない母親の抑圧に置かれた兄弟の行方。地下鉄で5駅先に邸宅を設けた父親は共同親権を謳い、兄と弟は母親の家と父親の家を何度も行ったり来たりする。冒頭のテニス・ゲームでネットに仕切られた関係性のように、弟は母親を慕い、兄は父親を慕うのだが、やがてその2人の屈折した感情と裏腹な本心が露わになる。年頃の兄に訪れた束の間の淡いロマンス、父親を巻き込んでのリリー(アンナ・パキン)との屈折した三角関係、Pink Floydの『Hey You』を悪びれる様子もなくパクって見せた兄の病巣、図書館の本棚に擦り付けたフランクの自慰行為と精液。デヴィッド・リンチの1986年作『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニにそっくりなソフィー(ヘイリー・ファイファー)の眼差し。手持ちカメラと固定を行き来する絶妙なフレームワークと即興性に溢れた役者の演技、絶妙なタイミングで鳴り響くLou Reedの『Street Hassle』やTangerine Dreamの『Love on a Real Train』、The Carsの『Drive』のメロディ。逃げた猫を追った父親が最後に放つのは、『勝手にしやがれ』のジャン=ポール・ベルモンドの言葉に他ならない。ウェス・アンダーソンの2004年作『ライフ・アクアティック』の共同脚本を手掛けたノア・バームバックの長編処女作は、並外れた初期衝動と瑞々しい感覚に溢れ、何度観ても新たな発見がある。
965

965の感想・評価

3.5
みんな素直に性に奔放で羨ましいなと思いました。
hosaeri

hosaeriの感想・評価

2.7
ジェシーアイゼンバーグ好きなら是非オススメ。思春期に観たい映画。
nao

naoの感想・評価

4.0
2017/369
わざとらしいところもありましたが脚本がかなり良い
>|