2024.08.02
奥平大兼出演作品。
監督は『変な家』の石川淳一、脚本は『半沢直樹』シーズン1の八津弘幸。
公開よりだいぶ早い段階から劇場予告を見ていたような気がします。
通常の予告編に加えてメイキング映像まで。
そんなにラウールを押していきたいんだーとは思いましたが、ビジュとスタイル的に映像映えしそうな感じですし、漫画実写化ものをメインにしていくのか、それとも……。
プロモーション的にアクションものなのかと思っていますが、元&旧ジャニーズでアクションというと岡田くんのイメージが強く、思い返してみても体張れる人もそんなにいないような気も、最近だと『Gメン』の岸くんぐらい?
登場キャラが多そうな感じですがアクションと共に演技にも期待を込めて今回鑑賞です。
「赤羽骨子を殺せば、賞金100億!」
こうして多くの殺し屋から命を狙われている赤羽骨子。
そんな赤羽の幼馴染の威吹荒邦もまた、彼女の実の父親からの依頼により、赤羽が通う錚々児高校3年4組に転入することに。
しかしチームを組んだ殺し屋に追い詰められた赤羽と威吹を助けたのは、3年4組のクラスメイト全員だった。
染島澄彦をリーダーとした彼らは特殊な訓練を受けた、赤羽を守るためのクラスメートで、威吹は彼らと共に赤羽を守ることになる。
赤羽の命を、赤羽の実の姉・正親や、プロの殺し屋を率いる鷹見も狙っている。
果たして威吹たちは赤羽を守り切ることができるのかー。
これ映画よりもテレビドラマやテレビアニメの方が合ってたんじゃないかな〜。
八津さんもドラマの方の人だし。
というか2022年に連載が始まったばかりとのことで、軽く調べた感じでも映画向けに改変された設定もあるしオリジナルキャラクターもいて、時期尚早過ぎた気も。
話自体はドタバタコメディみたいな感じで、期待していたアクション要素は薄めだったものの、シュールなところもあったり学園ものらしさもあって、設定も分かりやすく割とシンプルめだったと思います。
しかし問題はキャラクターとキャスティングですかね。
それぞれに専門分野があるとのことでしたが、それを活かしているキャラの方が少ないし、あとは絶望的に見分けがつかない。
学園ものでクラスメイト全員を際立たせるとなると、やはり映画自体が媒体として向いていないし、掘り下げも活躍も全然無いからピンチに駆けつけられたところで誰おま状態。
一応キャスティングありきでわかるキャラもいたものの、俳優だけでなく色んな方面から連れてきていたり、顔つきよりも髪型で差別化を図っていたりしていたような感じでしたが、コレジャナイ感が半端ない。
映画向けに少人数にフィーチャーするにしても、ラウールありきだからか実力派イケメンもそんなに出せなかったのかもしれないし、出してたとしてもやはり髪型で誰か分からなくなりそう。
倉悠貴と戸塚と坂口涼太郎はもっとちゃんと活かしてくれ!
一応メインの方にも目を向けてみると、出口夏希は役を演じている女優というよりは単に顔が可愛いだけだった印象。
土屋太鳳はパッと見では分かりませんが目元がしっかり土屋太鳳だし、なかなかいい演技をしないなと思っていましたが今作みたいな方向性でも無いんだよな〜。
『わたしの幸せな結婚』でめめの義姉になり、『マッチング』でさっくにストーキングされて、今作ではラウールに手を出しますか。
特撮俳優キラーの次はスノキラーでも目指すんですかね。
ラウールと奥平については、アクションと今後について言いたい。
まず今作に期待していたアクションは、型もステゴロも全然無い、体がぶつかる瞬間だけアップにしていた場面が多く、動きのある映像だったかと言われると全然そうではなかった。
でもラウールにも奥平にももっと動けそうな気配があったのでまだまだ今後の可能性はあるかなといった感じ。
演技についても、ラウールの方はさすがアイドル、キメ顔がバッチリキマっていました、あとはモノローグをもう少し頑張ってほしい。
奥平の方は今作も含めてローテンションな人物を演じる方が多い印象で、キャリアがそういう役から始まったこともあるかもしれませんが、そろそろガラッと演じ方が違うキャラをやってみて欲しいですね。
あと上でも言いましたが、作品の中身を見てもやっぱりプロモーションをやり過ぎたんじゃないかと。
クラスメイト全員がボディガードというのは今作の掴みでもあるので押し出しても全然問題ないかと思いますが、アクションシーンやラウールの出演場面が公開前の時点でほぼ全部なんじゃないかと思えるぐらい出ていて、そのためか裏切り者云々の話があっても予想がついちゃって、作品の緊迫感が薄まっていたように感じました。
映画に関しては安心と信頼のフジテレビでしたが、今作はどちらかというとドラマ色、いえバラエティ色が出過ぎていたように思います。
なんか逃走中のハンターっぽい殺し屋たちとか、27時間テレビみたいなダンス大会要素とか。
もっと映画映画してくれれば傑作良作を出せる土壌はあると思ってるのになぁ。
『ターミネーター』の溶鉱炉シーンのパロディとか、赤羽と正親の関係性がラウールをバオウとした『金色のガッシュ!!』のガッシュとゼオンみたいだったり、ことあるごとに求婚される威吹は『ONE PIECE』のルフィとハンコックみたいだったり。
原作者の意向なのか製作陣の悪ノリなのか、結構他作品パロディに見える場面がありましたね。